さてトチの実、ビジュアルはかなり栗っぽいのですが、
そのまま食べると渋すぎて舌がびりびり、ヴエ~!となります。
ちなみに都会の街路樹で多いトチノキは西洋トチノキだそうです。
渋抜きして食べらるまでにするには、結構手間も時間もかかりまくる。
それでもお餅にして食べるわけは、クセになる香ばしい風味はもちろんだけど、
田畑ができる平地が限られている山間での、貴重な食べ物だったから。
手をかければ美味しく保存もきく、縄文時代から食べ続けられてきたという先人のさすがの知恵、
その壮大なスケールの先っちょが今なんですね。お知恵拝借いたします!
渋抜きの前に、乾燥保存のための下準備です。
水に浸して一晩おきます。主な目的は、虫を実から追い出すため。
でも見た限りでは虫食い穴はありません。虫的にも渋すぎるのかな?
ネズミやリスは食べないらしい。
翌朝には、謎の泡ぶくが浮いてきました。
見た感じ、強烈な「アク」っぽそうですが、その感覚を一切裏切らない、強烈な渋が滲みでます。
水に漬けてるだけなのに、豚骨スープ初期レベルのアクの出っぷりに若干たじろぐ。
ざっと水洗いしたら、天日で干します。
カラカラに干したら、その状態で数年保存ができるそうです。
そうなるまでに、何日も何日も干すのですが、雨が降りだせば慌てて取り込む日々。
今日は曇りときどき雨予報…。陰干し決定。
「こういう作業、お勤めしながらできるものではないなぁ」
と、山間の兼業農家の限界に憂いを感じつつ、
各々の家を守り続けている爺婆がたの凄さありがたさが、実に浸みたり身に沁みたりしています。
渋抜きの工程まで果てしなくまだまだ進めません。
足踏みしながら干す日々、続きまーす。