朝から夕方まで丸一日かかる予定です。
まず、4棟あるいけすの建屋の1つに入り、そのいけすごとに作られたらしい網で追い込み漁みたいにして鮎を寄せていきます。
ザザザザ、
ズズズズ。
グググググっ!
パニックを起こした稚鮎は隠れようとして、網を押す係りの長靴の裏に潜り込もうとするらしく、めちゃくちゃ歩きづらそうに進んでました。そこが一番デンジャラスだってば!
わずかな隙間があれば、じゃんじゃん逃げる。さすが今から野生化する鮎のこどもだ。
魚群が塊になってく様を、静かに見守るみなさん。
迫った網を固定して、タモですくって、素早くザルで計量したら即、水の入ったバケツへ、という作業の繰り返しです。
一箇所につき40~50kgを放流していきます。(作業しながら聞いたから、正確じゃないかも)
稚魚の平均は5グラム強らしいので、だいたい7500~10000匹くらいづつ放流ですかね。
計量の手際がものすごく良い上に、
まるで生卵の黄身をすくうようなソフトな扱いのまま、バケツへ。
そのあと、道の運搬車まで、吊り橋越しのバケツリレーするのですが、
その手際も鮮やか!(写真撮ってたら結構迷惑、ワハハ!すんません)
第一便が出発し、小俣峠を越せないトラックは、一旦山を下って、中継川方面へ向かいます。
だから、待ち時間がたっぷり。
しかし、ただ待つのではなくって、
道具という道具や、いけすの渡し板など、片っぱしから洗いまくります。
すげー、成人男性パワー。
ガツガツ洗いまくり!雨は好都合と言わんばかりに、ジャバジャバ豪快に洗いまくり!
その傍らでは、追い込み網の細かな修理。
漁師は陸仕事が大切だと、氷見の漁師さんの言葉を思い出します。
しばらくして、第一回目の放流を終えたトラックが戻り、
第二便、第三便…と、どんどん繰り返し、作業は続いていきます。
目的地の放流箇所に着いたら、
まず放流前に、最後にホースに溜まった稚鮎をお尻ペンペンすべく、バケツ1杯分の水を取っといてから、
ゆけ~!!!大きくなれよー!!!!!
「ヤッホー」って声が聞こえてきそうなテンションで、自然界に飛び出していく。
なんだか私も、いちいち人生を謳歌していきたいなあ、と思わせてくれる彼らたち。
そんな中、
なんというか、習性っていじらしいっすね。
ホースの中を遡上しようとする反骨精神(?)に、もう、和むしかない。
放流して、少しの間だけ川を眺めては、
「あそこに群れでいるなあ」
「あそこ!どんどん登ってく!」
と、きっと誰もがもれなく、野生に帰っていく稚鮎を指差すはず。
どうしても指を差したくなる訳は、可愛い、とか、頑張れ、とか、元気でな、とか、
そういう気持ちを共有したくなるからです。
ビバ放流。ビバ共有。
最後、ホース引き上げ時に、うっかりホースのどこかに溜まってた鮎がチョロっと出ちゃって。
漁協のイクさんが、やさしい手で川へ帰してあげてました。あわわ、焦った~。
大川や勝木川はじめ、山北の川の美しさは超絶なんですが、
こういう漁協の皆さんや組合員の方、有志の方々が、鮎を育ててる時点から当たり前のように愛情を注ぎ続けていて、
当たり前にいると思ってた鮎や、当たり前に美しい河川なんかも、
いろんな人々の「当たり前の愛情」みたいなもので守られている。
各集落でも、河川敷の草刈りなど皆でするわけで。
かわいらしい鮎がのびのび旅立つ様を見たくて来たら、
山北の人々のすごい「当たり前」を見せつけられたわけだけど、
本当に、お手伝いさせてもらって良かった。
私も、鮎やここの人たちみたいに大きく育とう、となんとなく思ったし、
今までとは違う感覚で「川」を見れるようになった。
ありがとうございました!!!
今朝NHKの「小さな旅?」で拝見。とても良さそうなところですね。
暖かくなったら是非伺いたいと思います。
「長期滞在施設」以外に宿泊できるところ(キャンプ場・民宿等)はあるのでしょうかね?
きれいな水と澄んだ空気があれば、それだけで良いのですが。
欲をいえばおさかなも2-3匹釣れるといいなと思っています。
猪瀬さん
長期滞在施設以外では今のところ無くて、最寄りのオススメ宿屋は、交流の里八幡(はちまん)という小学校を改装した、夕日が落ちる海端の温泉施設です。安いですし、釣った魚を自炊もできる調理場もあります。