グイグイ登ってワラビ山に着く速度、ヤル気のみなぎりを隠しきれてません。
私はよくわからないまま、目の前のワラビを手当たり次第に採っていけばいいのかなーと思ってたのですが、
ちゃんとルールがありました。
横1列になって、下から上へ並んで採っていく。
手植えの田植えっぽい!植えずに折るけど。
効率いいすねー。なるほどっすね!
アラエイ(around 80)な母ちゃんがた。
すぐ自然と一体になって、山をお茶の間化させるのは特殊能力か。しかし休憩が絶景だ!
ところどころに生えているのは、シナノキ。
実は、この集落共同の山でシナノキ(シナ布の原料)を植林し、山の手入れを毎年していくうちに、ワラビが増え増え、ならばみんなでワラビを採りに行こう、という流れからの現在らしい。
生育中のシナノキと、総代さん。
休み休み、雨だろうが関係なく、驚異的な速さと精度でワラビが摘まれていきます。
こんなにわかりやすく伸びているのもいれば、枯れ草の下や切り株の根元の隙間にいるのもあって、ザクザク手を突っ込みまくって採る。蛇に注意!
なるべく身軽に収穫するために、腰には小さなテゴ(籠)をくくりつけ、
腰が重くなってきた頃、大きなテゴに皆が採ったワラビを移して集めては、斜面の途中あちこちに置き去りにして進みます。
熟練の感で「え?!そんなとこにもあったの?!」という箇所も隅々まで採り、
「よしよし、下りようか」となるまで、ざっと2時間くらい。濃密で集中力高すぎる全力の2時間。
私も大テゴの担ぎ方、板についてきた。斜面で背負うと楽チン。
とアラエイな母ちゃんがたもヒョイヒョイ担ぐ。
20kgぐらいあるかなあ。バックパッカーも顔負けっす。
ここからがまた、地味に大変。
5月だっていうのに、手がかじかむ!寒っ!
そんな中で山分け仕分け。
大(太)・小(細)・短の三種に分けます。
うひゃ~、寒いって!
裸足だもの~。でも雨で濡れたワラビをチョす(いじる・触る)には、やっぱ裸足がいいかも…。
突然ですが、
『ワラビの仕分け方法~長短編~』
1、根元を揃えるためにトントンする。
2、上部くるくるを持って、
3、フリフリすると短いのが落ちます。
などとか、一本一本、地道に太いの細いのを皆で分けていき、
同サイズを集めて、
平等に分配!マタギ勘定(参加者みな平等に分ける)だ!
結構なボリュームになったけど、アラエイ(あ、中にはアラセブな方もおられます)のみなさん、持っていけます?大丈夫すか…?
とか、いらん心配でした。
さすが、てんこ盛りボリューム想定内!!! マイカー持参。
「足痛い」「腰痛い」と普段嘆く爺や婆がた。
山が好きで、春になるといてもたってもいられないという彼らの気持ちが
今まではさっぱりわからなかったんですけど、
春はきっと、山の人々は山と神経細胞が繋がってしまうんだと、勝手に思っています。
リアルタイムな栄養補給も山から直結で?!とさえ感じてしまうほど、みんな年齢不詳になるし。
やっぱり、この超人的パワーは山由来かもなあ、と、ここ山北で育ってきた人々がうらやましくもあり、
ちょっとだけですけど、春にソワソワする気持ちがわかる気もしてきていて、それが嬉しくもある。へへへ。