ブナは美味しい。


雪国の秋は一足早いです。
村上市山北地区でも例外じゃなく、山の奥から冬が迫ってきます。

 

落葉ギリギリセーフ!で毎年秋の恒例、山熊田でのトレッキングイベント「紅葉のブナ林を歩く会」が行われました。

 

今回も、8時半に山熊田集落へ集合だ!


当日になって天気予報は雨から晴れになったよ!
晴れ男は誰だ!? ありがとうMr.晴れ男。

20回以上の開催を続けてきたこのイベント、案内人は山の魅力を熟知したリアルマタギの皆さんと、山に精通した山北の皆さんです。
なんという贅沢なっ!!!
目的地は山熊田の人々の暮らしに欠かせない「庭」で「畑」で「狩場」の山の峰”二の股峠”です。
あちこちで山北自慢をしていたら、大分、富山、山形の友人が、遥々来てくれました。ヤッホー!
参加者全員が車で輸送され(笑)、秋のマタギ道、片道2時間半のトレッキング、スタート!

うわあー。きれいだなあー。ぶなー。げんせいりーん。
さすが山好きの人たちが集まる会だけあって、中には自然観察員の方もおられました。
その博士女史、
「ハアハア、これは、これはね、ツクバネ!」と、息が上がってもなお大興奮で様々な植物を教えまくってくれて楽しい!
山ガール達の派手な格好が逆にカモフラージュになってしまうほどの、鮮やかな紅葉ブナ林を歩き進みます。
前日まで雨だったから、ぬかるんでいる箇所も多かったけれど、60名近くの参加者が歩けば道がはっきりと作られていきます。
太腿がはちきれそうなピークを迎えたころ、見えた!ピーク!!!
あららららー。
ナメコ汁の歓迎!うわああーん!嬉しいです!!!
絶景!!!はああああ。
みんな各々、大人の本気をもって、頂上の絶景の時間を楽しんでます。
ここ、本当にさんぽく?実はもう天国なんじゃ…? と、絶景すぎて命を疑うレベル。
ふふふ。
クロモジの枝を、頭領に削ってもらいました。
へへへ。
春の残雪トレッキングの回でご相伴に預かって感激した「ハイレホー肉」、今度はみんなに食べてもらいたく、肉持参!
山での火おこしはかなりコツがいるらしく、火種が中央に来るよう木を平行に積んで、蒸らしながら長い時間かけて火を起こすそうです。生木だったり湿っていたりするので、内側から乾燥させるためです。
空気の通り道なんか作らないこの薪の組み方、山で暮らしてきた先人の知恵そのものです。
いい顔!!!美味いだろ???(from Takaoka)
わかりますともっ!その夢中さ!!!(from Beppu)
いい顔!!!美味いよね!!!(from Otori)
実は今回、山形から来てくれたのは、ここの県境(山頂)を挟んで向こう側の隣の集落「大鳥」に住む地域おこし協力隊の田口くん。大鳥マタギの見習いでもあります。
協力隊の研修で知り合ったのですが、古くから縁が深い山熊田と大鳥、最近は交流がご無沙汰と聞いていたので、それならば、と大鳥のお祭りにお邪魔したことがありました。今回は田口くんが「いつもの馴染みの二の股峠を、反対側から登ってみたい」と遊びに来てくれました!わーい!ありがとう!!!
両集落のちょうど間あたりがここです。田口くんの住まいは向こうがわ(山形県)。

田口くんと山熊田マタギの頭領の話がはずむピーク。
下ることをすっかり忘れた美味しい時間に別れを告げまして、
戻るよ!
山頂の方はもう紅葉の見ごろは終わっていて、九州から来た熊谷くんは、この山の色を「紫」と例えていました。
うんうん、やっぱり、きれいだなあ。
ときどき田口くん、しゃがんで何かを拾っています。それ何?と聞くと、
ブナの実だって!
あちこち落っこちてて、ちょっと剥いて食べてみると…、
ぎゃああああー!!!(←キャアア…みたいな黄色い声がもう出ない)
めちゃくちゃ滅法うまい!!!!!
なんじゃこりゃあああああ~!!!
生クリームとマカダミアナッツが合わさったような、果てしない旨味。
クマも鳥も他の動物も、みんな大好き、ブナの実♡
知らなかったー。ブナがこんなに美味しいとは。世界は広いです。
もう、ブナの実しか見えない。
と、食い意地が張っている真っ只中、最後尾のスタッフ山男が、「ほれ」と見せてくれたのが、
まさかのバンケ(ふきのとう)。赤い。赤かったっけ?
沢沿いの暖かいところだと、間違えてちょっと芽を出すそうです。
植物ってうっかり屋ですね。
無事皆さん下山したら、なんと!
主催の国吉さんの奥様、カブ漬けと山栗とジャガイモの煮物を用意してくれてました~!さすがです!皆さん大喜びです!
閉会式の挨拶は、最も遠方から来てくれた別府市在住の熊谷くん。
皆様よくぞご無事で。おかえりなさい!
いつもそこにある「山」なのに、こんなに特別な気分にさせてくれるのが「山」なんですね。
だからみんな山に登るのか。
登山に全く興味がなかった、っていうか、山は眺めるものだと思っていた私にとって、
さんぽくの山の魅力が強烈ってことがだんだん分かってきて、
よちよち歩きの私でさえ、人生観が変わるような、そんなでっかい懐の山が近くにあるってことは、
実はかなり幸せなことなんじゃないかって、反芻しながら想う秋のさんぽくです。
…またブナの実拾いに行こう!っていう食い意地が張ってるのも嘘じゃないんですけどね。(笑)

コメントをする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です