壁土? 家の壁を削ってまで漬物つけてるのこの地域は?!
家、穴、開いちゃわないですか? 大丈夫っすか??? 冬とか雪、めちゃ大変ですよね???
なんなんだろう、そんな自虐的に身を滅ぼすレベルのお漬物。
…と密かに、心の中で突っ込みまくっていたら、全然違いました。
壁土に使う土で漬けるのだそうです。
ホッ。
よかった、家じゃなくて。
…って、えええええー!!!
よくないよくない、土ーっ?!
「ほら。」
ほんとだ!!!本当に泥まみれだったー!!!マジすかマジすかなんですか???
どうやらこの「壁土のナス漬け」、土の成分で皮が柔らかく色よく漬かるのだそうです。
この辺り、焼畑とかやるからアルカリ性の土になってるのかな。
赤土の鉄分などが影響しているのでしょうかね。
その粘土質の赤土の壁土と塩と水で漬けるのだそうです。
でもあんまりビックリしたんで、facebookに画像をアップしたら、
「ピータンみたいだと考えるとうまそう」ってコメントくれた方がいまして、
おお、案外この発想、インターナショナルなのかも!と、謎の感慨深さに見舞われました。
聞けば、小俣から小名部(山形県鶴岡市)に抜ける堀切峠の手前あたりでもその土が採れる、とのこと。
へえー、すごいなー。
まさに土着文化です。
そんなこと聞いちゃもう止まらない!
翌日、さっそく探しに行ってみました。
…って、あれ? 峠に着いちゃった。
あれ、あれ? あったかな? 土採れそうなとこ、あったか???
むむう。
後日、リベンジ!
私の小俣の先生、Mr.マタスケが案内してくれました。
さすが元大工さん。道中、壁土談義です。
壁土内部の構造とか作り方とか、加藤清正の味噌の壁には干した芋茎が入ってたとか。
そうこうしているうちに現場に着いた(らしい)。
ん? ここですか? どこですか? 本当ですか???
お?
おおお?
おおおおおー!!!
おお、おお! めちゃ掘ってますね!
ヌルッとしてるよ。
鍬の入った断面を見ると、粘土質のキメ細やかさがよくわかります。
この辺りの山は、概ね岩でできているので、珍しいポイントなのかなあ。
なんかすごい。生きてる遺跡みたい。遺跡じゃないか、「跡」か。跡だ。
そしてまさかの、
くるぶし周辺図。(ひっつき虫の襲撃に見舞われる37歳女性)
壁土のナス漬け、どうやら北陸(情報では富山県南砺市あたり)にもあると友人からのタレコミも。
ワールドワイドですね!
リンゴのようなナスの甘味に、上品な塩気、そしてなんだかわからない土由来ワンダーな旨味。
大地の恵みを大地ごと味わえるこのお漬物、日本の底力を知らしめられた気分です。
調べたら、こんな親切なページがありました。作ってみてね☆
初めて本ブログを拝見し、ホッコリした優しい気持ちになりました。私は鶴岡在中で只今胎内市に単身赴任してますハンドル名扇船「おーせん」と言うおじさんです。鶴岡では茄子漬け土と呼んでます。この土には、水溶性アルミニウム塩が含まれ、塩のナトリウムと交換して塩化アルミニウムとして溶け出し、茄子の色素アントシアニンと反応し、紺色の茄子漬けになる様です。明礬みたいですね。
では、また。
アルカリ性の何かだろうけどなんだろう?と謎だったので、大変勉強になります!なるほどですね!ミョウバンみたいですね!おーせんさん、ありがとうございます!