しょでこをグラタン。


「ほれ、しょでこ」
って新聞紙に包まれて渡されたこの植物、お初にお目にかかりますよ。

「しょでこ」って何ですか?って聞いたら、
「しょでこはしょでこだー。ええと、なんつったかな、しょでこ、しょーでこ。しょでこだ」
「はあ、しょでこなんですね…」


むりやり腑に落とそうとする私に、「…山のアスパラだ」と、無口の爺やからボソッと天使のようなささやきが!

でも、ビジュアルは、ビジュアルは…、

草。

すると、おもむろに、
穂先のほうから5cmくらいずつポキポキ折りだしたかと思うと、それをグラグラのお湯にぶっこみ、さっと湯がく。
包丁いらず。ポキっと折れないところは硬いらしいから、食べない。
湯に入れたら、あっという間に鮮やかな緑色になったぞ!

お醤油かけたり、マヨネーズなんかでいただきます。

うおおおー!なるほど!本当にアスパラのような風味だ!なにこれ美味しい!!アスパラより美味しいぜ?!
しょでこ、侮れないぜー。

で、まだ「しょでこ」が何者なのか不明なので、いただきながらさらに聞いてみると、
どうやらピンと立って生えるものと、蔓のものとがあるそうです。

でもやっぱりフンワリ感は払拭できず、最終手段、ググりました。
なんと薬草でした! 美味いうえに秀逸! しょでこー!!! 本名「しおで」!!!
この「しょでこ」、群生してないし、ぜんぜん目立たない。見つけられない。
アスパラ状になるには発芽から6年ほどかかるそうで、そういう希少さからも山菜の「横綱」「女王」「幻の山菜」とか言われているそうです。

そんなしょでこ姫、茹で野菜として最高に美味しい。
山をよく知る爺やにかかれば、しょでこ採りは朝飯前。
山北の山って本当に豊かだ。

普段は茹でるかおひたしくらいでしか食べないそうですが、居間に置き去りの新聞紙の包みに若干の持て余し感を感じまして、
冷蔵庫を覗かせてもらったら、牛乳と小麦粉とオリーブオイルと合鴨とスライスチーズがあったので、
グラタンを作らせてもらいました。

しょでこ、下茹でしたほうがいいものかお母ちゃんに聞いたら、「全然アクがないから大丈夫だろ」だそうなので、

ベシャメルソースに直接いきます!(O型です)


耐熱皿もオーブンもなかったんすけど、
しょでこ、グラタン風になりました。

山村の方々は「こんな食べ方初めてだ。うまいな」と言ってくれたんですけど、
本当のところ、どんな食べ方しても美味しい「しょでこ」と、ささっと採ってきてくれた爺やに軍配が上がっていると、
密かに思うのでした。

 

しょでこ:牛尾菜(しおで) と書きます。(←「書きます」と書いたけど、ぜんぜん読めないよね…)
牧場でプリプリ振る牛の尻尾を見たら思い出してね、「しょでこ姫」。

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