というわけで、
山北には”山熊田”というマタギの集落があるのですが、
東北の伝統的な、いかにも生真面目で厳かなマタギの印象とは少し違って、
親しみあふれるポップな人たち、お酒も大好き♡マタギ衆。
そんな方々や山歩きのプロが、残雪の春の山の美しさを案内してくれるイベント、
「残雪のブナ林を歩く会」は、朝8:30、山熊田に集合だ!
って、お客さんめっちゃ来てるしっ! 60名くらいかな。
主催の大滝国吉さんも、マタギです。
開会の挨拶も、この春の熊の巻き狩りの成果報告があったりして、
なんだか映画とか物語の中に紛れ込んでしまったかのような感覚になるんだけど、
もしかすると、私が寝ぼけているだけかもしれない。
さんぽく生業の里の皆さんが今朝作ってくれたトチモチと、バナナを頂きまして、
登り口まで運搬されて(笑)、いざトレッキング開始です!
レッツゴー! って、わりとすぐに九十九折?!
ちょうど息が切れたころ、きゅうけーい! やだもう、新緑まっぶしーい!!!
ぶなー。
「あんまり休むとかえって疲れっからの」
と、国吉さんはサクッとグイグイ進みます。
ハアハア、あづい。半袖になりたい。
…あれ?
なんか向こうの上の方から涼しい風が吹いてきたような…。
うわああああー!
なんですかなんですか!なんなんですかこの絶景!!!
あー、びっくりした。ヘブン過ぎます。
涼しいよーう、気持ちいいよーう。ふわああああ。
雪の上がうっすら茶色いのは、土ではなくって、ブナの花でした。
二の俣から三の俣の峰が爽快。山形県との県境ですぜ。月山とか見える。
この辺りで熊とった、とか言ってたような…。
絶景が立て続けに現れて、「この先、天国です」とか言われても、「ああ、そうすかー」とすんなり受け入れそうなほど、
もはや絶景慣れしてきた自分が憎い。
なんて思いながら進むと、
違うタイプの絶景が待ってた!!!
先発隊で山に入ってたマタギスタッフの皆さんが、水芭蕉の池の傍で、山菜の味噌汁作って待っててくれたんです!
沁みる~!
枝に刺して焚き火で焼いたお肉!いい顔!
ハイリハイリフレハイリホー♪(丸大ハンバーグ)
バーナー持ってきてラーメン作ったり、山菜やら何やらと持ち寄ったおかずを回して頂いたり、
各々が、本気で大人の山の時間を満喫だ。
お腹も心も満たされまして、さあ、帰りましょうかね。
って、そういやここ、山奥でしたー!
登りと違って、下るときは足元ばかり見がちなせいか、
山菜とったり、トチの実を拾ったり、と、各々のペースで進みます。
お鍋や火を片付けて、随分と後に出たはずのマタギチームがいつの間にかすぐ後ろにいて、
清水の場所とか、今いる地名を山言葉で教えてもらったりして。
つくづく、山の豊かさと、山とともに生きてきたその厚み凄みを思い知らされます。
知らない世界ばっかりだ。世界はでっかかった。
本当にここ、さんぽくかな? すごいな山北!
毎年秋には紅葉のブナ林を歩くイベントも開催されます。
また知らない世界が待ってるんだろうなあ。
世界観が変わるほど、素敵なイベントでした。