ゲタガタ、下駄形。


旧さんぽく町、小俣集落。

その家々の多くは、戊辰戦争のときに村丸ごと焼かれ、その後再建されたもので、
それらが現在でも住まいとして現役です!

実はすごいんですよ小俣!

築130年ほどなんですってば!


さすが出羽街道。建物のスタイル、土縁(どえん)造りの街並み!

​でですね、
その街並みの情緒を一層醸し出しているのが、小俣名物「屋号」の看板。

なんと、みなさんで手作りしたそうです。


「結構傷んできたなあ…」


「木目がデコボコだ。これでは字を書き直すの大変だ。カンナで削らねば」

と、集落の殿方が集まって、全世帯の屋号看板のお手入れをすることになりました。
全世帯分つくったっていう、それがすごい。景観への意識の高さったら。


手分けして、一軒一軒まわって、看板を回収だ!


乾拭きしてゴシゴシゴシ。区長さんもゴシゴシゴシ。


水拭き水拭き。メチャクチャ落ちる!こんなに手応えがあると、超楽しい!


干します。いい天気~。

さんぽく地区では、屋号文化がかなり色濃く定着したままなのですが、
ここ小俣のこの看板には、屋号と一緒にお醤油屋さんみたいなマークが書いてあります。

このマーク、「下駄形(げたがた)」というそうで、
これを見るだけで、本家、何番目の息子(分家)などがわかるんです。

例えば、傘のような形(やま)のベースのパーツがあって、それが本家だとすると、
その下に横棒で、一、二、三…とあれば、
やま+一=次男、二=三男、三=四男…、と、まあ、このような塩梅。

だから、下駄形をみれば、「ああ、この家とあそこの家は親戚なんだなー」
と、大変便利なマークなのです。

昔はみな下駄を履いていたから、自分の下駄がわかるようにこのマークの焼印を押していたそうです。
だから「ゲタガタ」。
家紋とはまた違って、血縁がわかりやすくて、集落のルーツがにじみ出るようなこの文化、素敵だなあ。いいなあ。


さて、乾いたら、書き直します。さすが区長!書道家みたいですね!

小俣集落を散策しながらただ歴史ある風情を楽しむだけではなく、
「下駄形」を巡って、「本家探し」とか「かわいいお気に入り下駄形探し」なーんて”通”な町歩きなど、いかがでしょうか。

ニッチで玄人っぽい大人の遊び、結構楽しかったですよ!(←遊び済み)

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